治験開始のお知らせ

2.治験とは何か

 このように私たち人類に多大の幸福をもたらして来た各種医薬品、医療機器も、勿論初めから現在のように存在していたわけではありません。
 薬品と呼ばれるものが登場したのもようやく20世紀になってからですし、第二次世界大戦のさなかにフレミングが発見した抗生物質であるペニシリンが登場するまでは、人類は感染症には殆ど無力でした。20世紀になってからの近代科学の目覚しい発展も抗生物質や各種薬剤の発見、合成に多大の貢献をなし、数多くの薬剤候補品が作成されました。
 しかしそれらの物質が実際に臨床応用されるまでには幾多の動物実験、人への投与試験が反復され安全性、臨床効果が確認された後、初めて患者さんに投与できるようになるのです。即ち薬剤が臨床応用されるまでには、少なくとも日本では、以下の過程を経なければなりません。

化学合成あるいは自然界(土壌中の微生物 など)産生品の中で薬物候補の抽出

動物の細胞、あるいは動物自体(兎、鼠、犬、猫など)を使った実験
安全性に問題なし
存在する場合は病気のモデル動物に投与
安全で有効
臨床第1相試験(少数の健康な成人ボランティアに投与)
安全性に問題なし
臨床第2相試験(少数の患者さんに投与)
安全性と有効性の確認
臨床第3相試験(多くの患者さんを対象に投与)
安全性と有効性の再確認
厚生労働省(具体的には中央薬事審議会)に製造販売の申請
第3相までのデーターの検討、審査
追加実験の要請、諾否の決定

 以上の過程を経てはじめて新規薬剤が市販を許され、広く臨床応用される事が可能となるのです。
 この過程自体に平均10年前後かかりますし、この過程で薬剤候補品の多くが消えていきます。このように多くの時間と労力、資金が費やされて始めて新しい薬剤が臨床応用されるのです。
 治験とは臨床第1相試験以下の、人を対象とした薬剤投与試験のことを言います。

▶初めに
▶治験とはなにか
▶治験は何故必要か
▶治験参加の意義と損失
▶国立病院機構いわき病院で治験を行う意義

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