「月刊ととろ」第171号 web版

 私たちの生活に計り知れない影響をもたらした東日本大震災の発生から早くも七年が経過しました。病院周辺の家並みは防潮堤へと大きく変貌し, 久し振りに訪れた人にとってはまるで見知らぬ土地に迷い込んだかのような印象を与えることでしょう。ただ塩屋埼灯台だけは何事もなかったかのように岬の先端に白く聳え立っており, 夕暮れともなれば眩い光を周囲に放ち続けています。私がいわき病院に着任してすでに十有余年, 朝な夕なに眺める豊間海岸の美しい眺めは生涯忘れ得ぬものとなりました。しかしいよいよ惜別の時期が近づいています。
 今回の震災を契機に平成24 年末にはいわき病院の移転が決定し, 以来営々と準備を進めてきたことはご存知の通りです。これまでの経過は決して平坦なものではなく, 移転先の選定だけでも一年以上の期間が費やされました。その後の建築設計, 関係部署との折衝などにも多大な時間と労力を要しましたが, 関係各位の真摯な努力が実り, 昨年の地鎮祭以降は工事も順調に進んでおります。先日は建築中の新病院の屋上に上る機会がありましたが, そこから海岸線を確認することはできませんでした。いささか残念な気もしましたが, その代わり津波被災の心配はほとんど不要になったわけです。一方利便性は大きく向上しました。敷地の南側には国道6 号線が走り, まっすぐ西へ向かえばやがて常磐道いわき湯本インターの入り口が見えてきます。湯本駅や泉駅も車で10 分くらいの距離です。知り合いからは,よくこんな便利な場所に移転することができたものだと感心されることもしばしばです。いわき病院百年の計として,今回の移転が正しい判断であったことを確信しております。
 さて, 年明けの移転に向けてこれからはいろいろ慌ただしくなります。幸い, 今回の診療報酬や介護報酬の改定では当院のような障害者中心の医療を担っている施設に大きな変化はありませんでしたので, 計画の大幅な見直しは避けられそうです。移転後の最大の変化と言えば, 病棟が三つに集約されることかと思います。特に神経難病患者と重症心身障害児者を同時に収容する第二病棟は, 先進的な取り組みとして注目される可能性があります。看護部門はもちろんのこと, 療育部門の方々にも積極的な取り組みを期待したいと思います。新設予定の訪問看護ステーションも,神経難病専門施設である当院ならではの特色を打ち出すことが求められます。またリハビリテーション部門では, 昨年度から導入したHAL が予想以上に実績を挙げており, これには担当PT の方々の尽力によるところが極めて大きいと思います。
 この春から新たに来られた職員の皆さん, いわき病院へようこそ。当院は決して大病院ではありませんが, その分お互いの顔がよく見えます。多職種連携には最適な環境です。ぜひ一日も早く当院に溶け込み, 新生いわき病院を支える一員として力を発揮してください。期待しております。
院長 : 関 晴朗
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いわき病院移転新築整備工事の進捗ついて

 今年の春の訪れは例年より早く、暑く感じるほどの陽気に桜もあっという間に満開になる中、新病院の建設も工期の遅れも無く順調に進んでおります。
 4月初旬現在で建築の行程も50%を超え、それに併せて機械設備や電気関係も滞りなく作業を進めています。
 病院棟については外壁設置及び塗装作業が1階部分から順次行われ、屋上防水も完成してきました。
 また、内装も耐火間仕切りや耐火壁ボード張、配管やダクト工事など急ピッチで進んでいます。
 宿舎棟についても屋上防水、サッシや額縁の取付、耐火間仕切りなどこちらも順調に仕上がってきています。
 工期の遅れ無く順調に進めば今年の9月末までには建物が完成し、平成31年2月の開院を迎えられる予定となっていますので、忙しい日々がまだまだ続きそうです。
(業務班長)

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メンタルヘルス院内研修会について

 近年、社会構造の変化にともない、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が高くなり、心身の健康を損なう労働者の増加が懸念されています。労働安全衛生法にも「事業者は、労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない」と規定されています。
 当院ではストレスチェックの実施、安全衛生委員会において対応策の検討や産業医及び各職場長による職員へ声掛けを行い、メンタルヘルスケアに努めているところです。
 今回、平成30年3月14日に産業カウンセラー・心理相談事業等の資格を持っている奥羽大学の車田文雄准教授を講師にお迎えし、院内研修を実施しました。車田先生からは以前、東日本大震災後に当院でご講義をいただいたことがあり、当院での講義は2回目となります。前回は災害後の環境において、職員それぞれが不安を抱えるなかでのメンタル面のご講義でしたが、今回は職場内におけるパワーハラスメントも含めた人間関係におけるメンタルヘルスを中心に、ご講義していただきました。内容は、①パワーハラスメントを起こさない・受けないためのポイントを含めた、メンタルヘルスの基礎 ②職場内のメンタルヘルスや自分に合ったストレスの解消方法等のセルフケア ③組織内でのラインケアや職員間でコミュニケーションを図ることにより信頼関係を築き、明るく風通しの良い職場づくりをすることの大切さ 最後に④「気になる自画像」として、自分のことをみんながどの様にみているのかとの演習を行い、普段において気付かなかった自分自身を振り返ることができました。
 車田先生からは、研修時間が限られているなか、終始ユーモアを交えながら非常に分かりやすく説明していただき、大変参考になった研修会でした。研修会内容につきましては先生のご好意もあり、録画させていただきましたので、当日参加された47名以外の職員の方々にも見ていただくこととしています。
 今後も「明るく風通しの良い職場」作りを推進するとともに、職員のメンタル面における不安等の解消を目指すため、引き続きメンタルヘルス研修会等を実施してまいります。
事務部長 : 佐藤 修一

 

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NHO PRESS~国立病院機構通信~について

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 いわき病院は、国立病院機構(NHO:National Hospital Organization)という143 の病院からなる国内最大級の病院ネットワークの病院です。
 国立病院機構(NHO)という病院ネットワークが、どのようなグループでどのような活動をしているのかを紹介する『NHO PRESS ~国立病院機構通信~』を発行しています。外来待合室などに設置していますので、ぜひご覧になってください。
 なお、ホームページに最新号と過去のものを掲載していますので、そちらもぜひご覧になってください。「NHO PRESS」で検索してください。

 


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