「月刊ととろ」第159号 web版

  この冬、雪で道路が白く覆われることはほとんどありませんでしたが、桜の開花は例年より若干遅れたようです。おそらく3 月の気温が低かったためでしょう。いわき市内でもインフルエンザの流行が長引いていますが、幸いなことに当院ではこれまでのところ、入院患者さんの発症は一名もありません。たしかに昨秋以来いろいろ予防策を講じてきましたが、それ以上に職員の感染防止に対する自覚の向上が大きかったと思います。新年度を迎えるにあたり、幸先の良いスタートを切ることができました。
 さて、当院の新築移転計画は概ね順調に進行しています。すでに土地の造成は完了し、4 月からはいよいよ建物本体の工事が始まることとなりました。新病院の完成予想図は会議室に掲示してありますし、インターネットのホームページからも閲覧することができます。ぜひご覧になって夢を膨らませて下さい。また診療機能面ではリハビリ部門に新たな装置を導入しました。最近話題に上ることも多くなったロボットスーツのHAL®医療用下肢タイプです。これについては次ページで詳しく説明してありますのでご参照下さい。
 このように新年度は明るい話題から始まりましたが、もちろん課題も山積しています。国立病院機構全体の収支は平成22 年度をピークとして悪化傾向にあり、昨年度はついに100 億円以上の赤字を計上する事態となりました。収入自体は引き続き増加しているものの、非公務員化に伴う経費の増加などの支出増がそれを上回ってしまったということです。こうした厳しい状況の中にあっても、当院のようなセーフティネット系の施設は比較的堅調な運営のところが多かったのですが、来年度に実施される診療報酬、介護報酬、介護保険制度のトリプル改定の内容によっては、こちらにも大きな影響が出てくることが避けられません。右肩上がりの経済成長は遠い昔の話となった今、医療に回せる資源にも自から限界があります。
 急速に高齢化が進む現在、厚労省が住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進していることはご存知のことと思います。当院もまた、神経難病、重症心身障害児者医療の専門施設であるという特色を最大限に生かしつつ、この構想に寄与していくべきと考えています。他院では対応困難な疾患の患者の入院を受け入れるとともに退院調整を円滑に進め、退院後の在宅療養にも積極的に関わっていく。そして必要時にはレスパイト入院などを計画する。こうした一連の流れを推進していくためには、独自の訪問看護ステーションの立ち上げも必要になるでしょう。いろいろな困難も予想されますが、多職種が連携すれば実現可能なはずです。
 この春新たに職員となられた皆さん、いわき病院へようこそ。いろいろ不明なこと、不安なこともあろうかと思いますが、どうぞ遠慮なく職場の先輩に尋ねて下さい。私も院内をくまなく巡っていますので、見かけたならば気軽に声を掛けて下さい。これからのいわき病院を支えるスタッフの一員として、その実力を発揮できる日が早く訪れることを期待しております。
院長 : 関 晴朗

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ロボットスーツHAL®を導入しました

 最近はリハビリテーション医学の分野において、医療用ロボットの導入が急速に進んでいます。その中でもHAL® は、特に注目を集めているものの一つです。HAL®というのは、Hybrid Assistive Limb の略称で、運動能力の低下した患者さんの身体に装着して動作を補助し、機能の回復をはかるサイボーグ型ロボットです。
 私たちが何か運動を行う場合には、脳からの指示が神経を伝って筋肉に達し、そこで微弱な電気信号が発生します。HAL®は皮膚表面に貼布した電極を介してこの電気信号を感知し、その情報を装置内のコンピュータに組み込まれているプログラムと統合してモーターを制御し、関節の動きをアシストします。これにより、HAL®を装着した患者さんは無理なく歩行などの運動が可能となります。また、HAL®を用いたリハビリを繰り返すことにより、「きちんと歩けた」という感覚情報が脳にフィードバックされ、運動の再学習が行われます。このためHAL®を取り外した後も、運動機能の向上が維持されることとなります。
 HAL®にはすでに福祉用、介護支援用などいくつかの機種が開発されており、福祉介護などの現場での利用が始まっています。さらに昨年、待望の医療用機種が厚労省から認可されて健康保険が適用されることとなりました。今回当院で採用することとなったのは、こちらの医療用下肢タイプ(HALML05モデル) です。健康保険の対象となる疾患は現在のところ、①脊髄性筋萎縮症(SMA)、②球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、③筋萎縮性側索硬化症(ALS)、④シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、⑤遠位型ミオパチー、⑥封入体筋炎(IBM)、⑦先天性ミオパチー、⑧筋ジストロフィーの8 種類です。もちろん、今後さらに適用疾患が拡大されることも予想されますが、まずはこれら8 疾患の患者さんに対して積極的にHAL®を使用したリハビリをお勧めしたいと思います。すでに当院の外来に通院されている方にはお話ししているところですが、本紙を読んで、自分もやってみたいと思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせいただきたいと思います。
院長 : 関 晴朗

 

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特定保健指導 始めます

 特定健診(通称、メタボ健診)でおなかまわりを測ったことがありますか?
 メタボリックシンドロームは、単純な肥満と勘違いされていることが多いですが、実は内臓脂肪型肥満と言って、放っておくと動脈硬化や糖尿病・高血圧・脂質異常症等といった生活習慣病へ進行するリスクが高くなってしまいます。
 特定健診の結果をもとに、生活習慣病の発症リスクが高い順に「積極的支援」「動機付け支援」「情報提供」の3つのグループに分けられます。
 当院でも、4月より「積極的支援」「動機付け支援」の方を対象とした特定保健指導を始めました。個々の身体状況・生活環境等に合った生活習慣を見直し、管理栄養士と一緒に目標に向けて取り組みましょう。
 詳しくは、当院ホームページをご覧ください。
管理栄養士 : 仁和 愛里

 

新任者自己紹介

 いわき病院に勤務して1ヶ月が経ちました。雰囲気も良く、皆さん丁寧に仕事を教えてくれて、楽しく仕事をしています。趣味は自転車と太極拳で、休日には海沿いをサイクリングしたり、稽古をしたりしています。
 これから沢山の知識を吸収して、立派な栄養士になれるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
栄養士 田丸 友理

 

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NHO PRESS~国立病院機構通信~について

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 いわき病院は、国立病院機構(NHO:National Hospital Organization)という143 の病院からなる国内最大級の病院ネットワークの病院です。
 国立病院機構(NHO)という病院ネットワークが、どのようなグループでどのような活動をしているのかを紹介する『NHO PRESS ~国立病院機構通信~』を発行しています。外来待合室などに設置していますので、ぜひご覧になってください。
 なお、ホームページに最新号と過去のものを掲載していますので、そちらもぜひご覧になってください。「NHO PRESS」で検索してください。

 

 

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