「月刊ととろ」第155号 web版

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ttr155p14_14 今回は特別講演として外部講師をお招きし、11 月25 日いわきワシントンホテル椿山荘4 階 生涯学習プラザ大会議室において、第3 回地域医療連携研修会を開催しました。 我が国では、現在急激に高齢化が進行しており、加齢や疾患等による筋肉量の減少により、筋力の低下・身体能力の低下、そして摂食・嚥下障害等が引き起こされ、その要因としてサルコペニア(筋減弱症) といった病態に大きな関心が集まっています。
 今回は、その専門家であり数々の著書を著し、臨床の最前線でご活躍中の横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科の若林 秀隆先生を講師としてお招きし、「サルコペニアの摂食嚥下障害とリハビリテーション栄養」についてご講演を頂きました。
 参加者総数は、今までの研修会でも最も多い186 名とその関心の高さがうかがえ、講演内容は大変分かり易く、サルコペニアとは、加齢・活動・栄養・疾患による筋肉量・筋力・身体機能の低下、またリハ栄養の考え方では、“栄養ケアなくしてリハなし” や、 ” 攻めの栄養 ” 等初めて耳にする言葉が踊り、目から鱗とはまさにこのことと感じた素晴らしい講演でした。 要点をとらえたプレゼンは大変好評で、盛況のうちに会を終えることが出来ました。
ttr155p14_19 リハ栄養において重要な点は、医師、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師など多職種が多面的に介入し互いの視点で意見を出し合いながら、原因を考え対処していくこと。いわゆるチーム医療が大変重要であるという事でした。
 今後も、地域の方々のご要望と期待に答えられるよう、最新のテーマを選んで、研修会を継続していきたいと考えております。

副院長 : 鈴木 栄
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第70回 国立病院総合医学会に参加して

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 第70回国立病院総合医学会は、平成28年11月11日(金)、12日(土)の2日間、沖縄県中部に位置する宜野湾市にある施設(沖縄コンベンションセンター、宜野湾市立体育館等) を会場とし、盛大に開催されました。今学会では、急激な人口構成の変化を背景に、「医療構造の変化と国立病院機構に問われる役割」をメインテーマとし、サブテーマは「命( ぬち) ぐすい、温かい医療を広げよう」で活発な発表や討論が行われました。
※「命( ぬち) ぐすい(薬)」とは沖縄言葉 ( 島くとぅば) で、心が癒される出来事、おいしい料理、おもてなしなどの意。
 当院の発表は10 題ありましたので、その演者と演題を次に紹介します。口演の部では、阿部 雅美看護師が「筋萎縮性側索硬化症患者の主観的QOL 評価 ~ SEIQoL-DW を活用し看護介入した事例~」を、鈴木 光司理学療法士が「SCD 患者に対するTRH 療法前後における静的・動的バランス検査とPRO による効果の検証」を、渡邉 大介言語聴覚士が「嚥下障害を有する原発性側索硬化症患者に対する筋力増強訓練に関する検討」を発表。
 また、ボスターセッションの部では、鈴木 栄副院長が「神経難病による長期入院患者と外来患者の体成分データの比較検討」、東 慶子看護師が「蹄泣がある患者の関わり方での変化 ~効果的な支援アプローチの探索~」、大平美知世看護師が「経管栄養法を行っている重度心身障害児(者) に腸蠕動運動促進へのケアを行って」、小山 直也児童指導員が「重症心身障害児(者) 病棟の職員における、虐待及び不適切な支援防止のための意識向上に関する取り組みについて」を、松本 祐耶栄養士が「集団栄養指導の在り方~効果的な指導を目指して~」を、吉崎 祥吾作業療法士は「MSC を呈したALS 患者に対するコミュニケーション支援 ~透明文字盤使用方法の工夫により、意思表示が可能となった一例~、西舘 拓哉作業療法士は「リハビリテーション総合実施計画料算定漏れ0への道! ~安心して下さい、漏らしませんよ!~」どの演者も落ち着いており堂々とした発表でした。
 会場からの質問にも的確に対応しておりました。 大変嬉しいことに、吉崎 祥吾作業療法士がベストポスター賞を受賞し、盛会のうちに終了致しました。
 今回、ポスター会場は体育館であり、演者の発表が後方まで十分聞き取れるかどうか不安がありましたが拡声機も用意され、後方でも充分発表が聞き取れ大変良かったと思います。
 来年は四国高松での開催です。今回の経験を活かし、さらに数多くのすばらしい発表が為されることを大いに期待したいと思います。

副院長 : 鈴木 栄

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ttr155p23kangosi 重症心身障害児(者)病棟に勤務していた時に受け持たせて頂いたAさん。私はその病棟に3年間勤務していましたが、Aさんを受け持ったのは最後の半年間でした。はっきりと言葉を発する事ができなくても、何でも分かるAさん。アイコンタクトやコミュニケーションを重ねるうち、信頼関係が築かれ、どんな話も一所懸命聞いてくれるAさんに、いろんな話をするようになりました。
 そんなある日、私の配置換えの内示があり、病棟のみんなでお別れ会を開いてくれました。Aさんは、他のスタッフのお別れ会のとき号泣していたので、私の時も泣いてしまうかと(私の方がもらい泣きしてしまうかもと)心配していましたが、Aさんは終始楽しそうに笑っていました。
 そして最後の夜勤の朝。少しだけでもじっくりかかわろうと最後にAさんの朝食介助に入りました。するとそれまでずっと私を目で追い「あはは」と笑っていたAさんが黙り込み、こわばった表情になってしまいました。それでも私が続けて「いただきます」と何度口元へ運んでも、口を固くむすび、食べようとしませんでした。困り果て、他のスタッフに代わってもらうと、すぐAさんは食べ始めました。
 後日出勤すると、スタッフから「Aさんは、芳賀さんが帰ってから泣いていたんですよ。お別れ会の後も、あの夜勤の後も」と教えてもらいました。その話をニコニコ笑顔で聞いているAさん。私の前では最後まで笑顔でいてくれました。

第3 病棟 副看護師長 : 芳賀 郁美

 

イルミネーション点灯完了

 今年も正面玄関と中央廊下などにイルミネーションを取り付け、11月30日に点灯式を行いました。(中央廊下のイルミネーションがかなり延長されました。)
 点灯時間は、午後4時30分から午後9時までとなっております。
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いわき病院の移転計画について

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ttr155p14_05 さて、失語症が左側の大脳半球障害による高次脳機能障害の代表だとすれば、 右側障害の場合はどうでしょうか。 こちらでは通常失語症は生じませんが、その一方で「半側空間無視」と呼ばれる視空間認知の障害をきたすことがあり、特に頭頂葉が広範に障害された場合には高率です。 患者さんは目の前に何か物体があっても、 その右側しか認識できなくなります。
 例えばテーブルに食事を並べても、右側に置いた食器にしか手を付けません。 極端な場合は、同一の食器の中でも、その右側部分しか食べないこともあります。 歩行時にも左側の障害物に気付きませんし、 簡単な絵を提示してそれを模写するように指示しても、左側が欠けてしまいます。 これは視野の欠損だけでは説明がつかない現象です。 右半球の障害ではこのほか、左片麻痺がある
のにそれを否定するような態度を取ることもあります。 「左腕は上げられませんよね」と言っても「いえ、 動きます」と健側手で麻痺側を持ち上げて平然としていることもあり、こういった身体認識の障害はしばしばリハビリテーションの妨げとなります。 このほか、うまく衣服が着られなくなる着衣失行と呼ばれる現象が見られることもあります。 なお、左側の障害では先に述べた失語症のほか、 左右や手指の弁別ができなくなったり、使い慣れた道具がうまく使えなくなったりするといった現象が見られることもあります。

 

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