「月刊ととろ」第131号 web版

2612a_11b 豊間海岸に面した当院は、院内や駐車場からも間近に海が見えるオーシャンビューの恵まれた環境にありましたが、さきの東日本大震災で津波の被害を受けたため、今後の患者さんの安全確保策として敷地内に全長230メートル、海抜8.9メートルの津波に対応する擁壁を今年6月に設置しました。 擁壁の設置後、患者さんをはじめ大勢の方々から「海が見えなくなり残念。」という声が寄せられるようになりました。
 そこで、「いわき病院の擁壁に絵を描こう!! プロジェクトチーム」を院内に結成。擁壁のデザインを院内外に広く募集し数多くの入賞作品が無機質だった擁壁に飾られ、いまでは「いわき病院擁壁ギャラリー」として癒しのスポットとなっています。

2612a_182612a_29 7月、いわき市内にある小・中・高校や市内の各所に「壁画デザイン」募集のポスターを配付したところ、13作品の応募があり、8作品を入賞作品として擁壁に壁画として設置することとなりました。デザインはA3の大きさで応募されますが、縦1.5メートル、横2メートルに拡大したパネルとして10月4日のいわき病院秋まつりに合わせて設置しました。募集テーマは、「壁画にしたい心に残る私達のいわきの風景」としました。 壁画デザインの設置の様子は、新聞やテレビ、ラジオでも大きく取り上げられ大きな話題となりました。壁画デザインは継続して募集しています。

事務長 宗像 広

2612a_15

 

2612a_25

 

 

「最優秀賞」に選ばれたいわき市立小名浜第一中学校6名による共同作品「小名浜港」

 

 

インタビューに答えるプロジェクトリーダーの鈴木栄先生。
 (いわき病院会議室のメッセージボードの前にて)

 

2612a_352612a_32

 

 

 

 

 

入賞された方々の表彰式。

-1-

第68回国立病院総合医学会に参加して

2612b_06  今回は、明治維新の開港の地、横浜で平成26年11月14日から15日まで、第68回国立病院総合医学会が開催されました。 馬車道通り、ガス灯 赤煉瓦の建物、元銀行の古めかしい石造りの建物など、過去にタイムスリップしたような感覚に陥りそうで、維新の香りが色濃く漂う街です。
 学会会場は、遠くにベイブリッジを望むパシフィコ横浜で、帆掛け船の形で有名なホテルに隣接する会議センター、展示ホールA・Bにおいて、各自の発表が行われました。当院からは、過去最多の17題もの演題提示があり、まさに快挙といって良いでしょう。
 では、総て方々の発表を紹介させていただきます。。

・鈴木 栄臨床研究部長が「体成分計INBODYを用いた生活習慣病治療の検討」、
・南舘 良英契約係長が「障害者病棟における有料個室(特別室)の設置について」、
・小松 成光ボイラー技師長が「津波被害を想定した災害安全対策整備を実施して」、
・佐藤 真理主任栄養士が「継続した集団栄養指導への取り組みについて~減塩教室の充実化を目指して」、
・松本 祐耶栄養士「給食管理における患者サービス向上への取り組みについて」~退院メニュー食への挑戦~、
・吉崎 祥吾作業療法士「食事の自力摂取に向けて~50歳代重症心身障害者に対する作業療法~」、
・西舘 拓哉作業療法士「失調症状が著明なSCD患者に意思伝達装置を導入した一例」、
・樋口 雄一郎言語聴覚士「書字障害を認めた筋萎縮性側索硬化症患者の経時的変化」、
・佐藤 美紀歯科衛生士「ハチアズレ+生理的食塩水の口腔ケア効果」、
・富岡 敦宏副看護師長「働き続けられる職場づくりを目指して~2交替・3交替夜勤併用制の導入」、
・吉田 拓生看護師「円滑なコミュニケーションの為の自己理解~4つのキャラクターに分けて~」、
・今野 寛寿看護師「自食に向けての一事例~自食訓練における発達の変化~」、
・芳賀 郁美副看護師長「重症心身障害者の環境適応への関わり~言語的コミュニケーションと生活リズムの構築」、
・菊地 春恵医療安全管理係長「医療機器に対する専門的知識に基づいた医療機器管理への取り組み」、
・伊藤 加奈子保育士「摂食指導の事例報告」、
・山本 真美保育士「月間スヌーズレン公開療養活動を実施して」、
・小野 可奈子医療社会専門員「介護職員等による喀痰吸引等研修(第3号研修)研修機関としての地域への貢献」
の17題の演題が発表されました。

2612b_10

  今回は、会場が広大で発表が聞き取れるかどうか不安がありましたが、拡声機が用意されており、よく聞こえて大変良かったと思います。 熱気あふれる発表が多く、積極的に質疑応答がなされ、内容のレベルとそれに対する関心の高さを感じました。 ただ当院から、ベストポスター賞の受賞がなかったことは、少々残念でしたが、盛会のうちに終了致しました。 来年は、北の大地北海道での開催とのこと、さらにすばらしい内容の発表が、多数みられることを期待しております。
臨床研究部長 鈴木 栄

2612b_22

-2-

2612b_03 12月に入り、ますます寒くなってきましたが、皆さん体調を崩されてないですか??インフルエンザも流行していますので、体調管理には充分お気を付けくださいね。 ところで、皆さん当院では減塩教室(集団指導)を実施していることをご存じでしょうか?当院では昨年度から、同じ疾患を持った患者さんが一緒に勉強できる環境として、毎月第四水曜日の午前10:30~減塩教室(集団指導)を始めました。昨年度は周知不足や、講義内容のマンネリ化などの問題が沢山あり、参加人数も伸び悩 んでいましたが、今年は去年の反省を改善し、管理栄養士の他、薬剤師や理学療法士のスタッフにも協力いただいき、減塩教室を盛り上げています。 また、患者さんに寄り添った講義内容に変更したところ、沢山の患者さんに参加いただいています。参加者からはたいへん好評で、『また、来月も参加するね』と言って帰られる方が多く、私たちとしても大変やり甲斐を感じております。 今回の広報誌で、減塩教室に興味を持たれた患者さんは、ぜひ当院までご連絡下さい。また、当院に通院されている方であれば、外来待合室にポスターが掲示してありますので、そちらをご覧下さい。減塩教室では舌で体験するコーナーとして、『減塩料理の試食会』も行っています。また、参加者全員に健康に関連したお土産も準備しておりますので、皆さん、沢山の方をお誘いの上、ふるってご参加ください。スタッフ一同お待ちしております!

栄養管理室 主任栄養士 佐藤 真理

2612b_14

↑クリックで拡大

 

今年も彩るイルミネーション

2612b_19

↑クリックで拡大
-3-

2612a_03

2612a_07 移行医療という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。小児期に発症した疾患を抱え成人された方を引き継いでいく医療です。てんかん、自閉症、筋ジス、小児がんなど様々な疾患で引き継ぎが問題にされています。
 ダウン症の方を取り巻く問題の一つも成人期の医療です。 成人されるまでの教育、福祉、医療は御家族や小児科医、療育関係者などの熱意もありそれなりのレベルにあります。しかし、他の障碍児と同様に成人の診療科にうまく移れない場合が多いのです。この一因には小児科医以外はダウン症への理解が乏しいことがあげられます。こうした状況もあり小児科医が成人後も継続して診療にあたるという考え方もあります。 努力されている先生もおられます。しかし、老化に伴う疾患を診る機会が少ない小児科医が中高年を診療することには無理があるように思われます。内科医や神経内科医が関わっていくべきです。
 私自身はダウン症の専門家でも、ダウン症協会の関係者でもありません。ダウン症の方を初めて診察させていただいたのは卒後10年を過ぎていました。歩行困難になり受診された方を診察し、頸髄障害とはわかりましたが環軸椎亜脱臼という合併症を知りませんでした。それから20年、色々な御縁があり、ダウン症の方に教えられたこと、必要に迫られて学んだことなどをここに記してきたに過ぎません。ダウン症の特に成人期の医療を含めた社会的問題はまだまだこれからの課題です。この連載が理解を深めていただくきっかけになりましたら幸いです。
 ダウン症の方には素晴らしい才能がたくさんあります。ダウン症の方のダンスは例えばYou Tubeで御覧になれます。最近、世界で最も見られている動画はファレル・ウイリアムスのHappyにのせて人々が踊るものだそうですが、ダウン症の方々のものもあります。(蛇足ですがHappy の福島版や浜通り版も抜群の出来です。)ダウン症の方と一緒にいるととても楽しいのですが、ある先生は、21番染色体には周りを楽しくさせる遺伝子がある! と素敵なことをおっしゃっています。ダウン症の方が十分に成長発達し、実力をのびのび発揮し、長くなった成人期を御本人が楽しく暮らしていけますように。

2612a_20

↑クリックで拡大
-4-